腕時計の変遷~1930年代から現在【1/2】~

趣味時計

腕時計が生まれた1930年代から現在まで、各時代にどんな腕時計があるのかを辿ってみようと思います。

「欲しい時計が、どの時代の影響を受けているのか」「自分の好みは、どの時代のテイストなんだ」と知るきっかけになれば!と思います。

今回は、1930年代~1960年代にかけてご紹介します。

1930年代

懐中時計から腕時計へ

時計は、もともと懐中時計が一般的なものでした。

それが1930年に懐中時計と腕時計の出荷本数が並び、1934年に腕時計の出荷本数が懐中時計の2倍になりました。

1920年代の腕時計は、レクタンギュラー型(長方形型)や、懐中時計に後付けしたようなラグを持つようなものでした。

1930年ごろに誕生した代表的な腕時計は、Rolexのオイスターパーペチュアルと、パテックフィリップのカラトラバです。

この2つに共通するのは、ラグとケースが一体化されていることです。

1920年代の後半に「伸縮するバネ棒」が発明され、バネ棒が外れるようになった結果、ラグをケースと一体化できるようになりました。

インデックスのデザイン

1920年以前の腕時計は、懐中時計を思わせるアラビックやローマンインデックスを用いたものが多くありました。

1930年代に、カラトラバが初めてバーインデックスを取り入れました(諸説あり)。

その後、多くのメーカーがカラトラバ型のインデックスを模倣していました。

1940年代

サイズが30mmから35mmへ

それまでの腕時計は、秒針がスモールセコンドでした。

この時代に軍用時計にセンターセコンドが採用されました。

センターセコンドは、時計の実用性を高めましたが、小さな文字盤では視認性が欠けていました。

そのため、戦後のセンターセコンドの腕時計では、ケースが35mm程度にまで拡大されました。

また、スモールセコンドをセンターセコンドに変えるために、ムーブメントにモジュールを追加する必要があるため、ムーブメントが厚くなるようになりました。

さらに、長針、短針のほかに秒針をスペースを確保するために、文字盤に厚みが必要となりました。

その結果、腕時計の幅と厚みが大きくなっていきました。

1950年代

薄型化

1950年代には、自動巻きとカレンダーが普及し、ムーブメントはさらに厚くなりました。

すると、各ブランドは、ムーブメントの薄型化と、厚さを感じさせないデザインを考えるようになりました。

厚さを感じさせないデザインの例として、カーブのある裏蓋を用いることで、ケースサイドを薄くすることができ、厚みを感じさせないというものがあります。

大きく厚いムーブメントを持つメーカーは、このような手法を多く用いていました(パテックフィリップ、IWCなど)。

一方で、薄型のムーブメントを持つメーカーは、フラットな文字盤やケースバックを好んでいました(オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタン、ピアジェなど)。

この時代は「紙のような薄さ」が、高級時計の象徴でした。

防水

40年代以降、ロレックスオイスターのようなねじ込み式が主流でした。

この手法は、防水性を高めましたが、裏蓋をねじ込む余白が必要となり、大きなケースが必要となりました。

50年代以降、さらに防水ケースは進化し、デザインにも影響を及ぼすようになりました。

この時代の防水時計は、厚い風防を採用し、素材もガラスからプラスチックに変更されるようになりました。

プラスチックは、ベゼルとの密着性に優れているというメリットがありました。

すると、厚い風防を固定するため、ベゼルは大きく立体的なものになっていきました。

1960年代

レクタンギュラー型から丸型へ

1940年代から1960年代にかけて、腕時計のデザインは機能に沿って発展してきました。

50年代まで根強い人気を誇ったレクタンギュラー型は、センターセコンドに向かず、防水性も無かったため、店頭から消えることになりました。

ワンピースケース

50年代から60年代にかけて、防水性を高めつつ、スリムにみせるために、ワンピースケース(1部品でできたケース)を採用した腕時計が誕生し始めました。

しかし、なかなか光が当たらない存在でした。

さいごに

今回は、「腕時計の変遷~1930年代から現在~」の前編として1930年代~1960年代について、書籍やネットの情報を基にまとめていきました。

「私にとって、このテーマはまだ早いのかもしれない」と思いながらも、「腕時計にどんな変遷があるのかを知りたい!」という思いから本投稿の情報収集・執筆にチャレンジしてみました。

次回は、1970年代から現在にかけて、まとめていこうと考えています。

また、次回の投稿でお会いできれば幸いです。

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